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梅雨時期の体調管理を考える

特集
梅雨時期の体調管理を考える

梅雨独特の体の不調

私たちの体は体重の60〜70%が水分でできています。
外気の湿度が高くなると、水を処理する機能が低下している人は体調が悪くなりますが、体調不良を訴えるのは体の機能が弱っている人だけではありません。

梅雨は、どのような人でも体の中の水分を発散させにくくなり、免疫力が低下し梅雨独特の体の不調を訴える人が多くなります。
具体的には、体がだるい(倦怠感)、食欲不振、下痢、むくみ、神経痛、リウマチ、喘息、皮膚病(アトピー、水虫)などです。

梅雨に症状が悪化しやすい人は、日頃から胃腸の機能が弱く、冷え症であまり食べないけれども、水太りしやすい、汗をよくかく、また肝機能が悪く、いつも疲れやすい人のようです。

梅雨時期に増えるアレルギー症状

意外と知られていないのが、梅雨の時期のアトピー性皮膚炎の悪化・増加です。

アトピー性皮膚炎は、慢性的にかゆみを伴う湿疹が顔、首、ひじ、ひざなどを中心にできることを指しますが、その原因は卵、牛乳・乳製品、カビ、ダニ、ハウスダスト、乾燥などです。

また、最近の社会環境、住環境の整備により免疫力が低下し、これらのアレルギー性物質に過剰に免疫反応してしまうことも原因の1 つと言われます。
また、特に梅雨時期に悪化・増加するのはカビ、ダニ、ハウスダストといった住環境に起因するものです。

アレルギー対策

原因となるカビ、ダニ、ハウスダストはこまめに掃除機をかけ取り除く。

そして、現在の住宅は機密性が高く、湿度が高い梅雨の時期はさらに原因物質が繁殖しやすいので、換気を徹底して行い原因物質の飛散、繁殖を防ぐことが大切です。

香りで自律神経を整える

うつ病や不眠など様々な不調は、自律神経、免疫系、ホルモン系のバランスが崩れたことで起こることが判ってきました。

これまでスキンケア、睡眠、香り、嗅覚、乳幼児、高齢者研究を長年に渡り研究している筑波大学大学院グローバル教育院 矢田 幸博教授は、「嗅覚は視覚や聴覚と違い感情・記憶を司る部分に直接伝わるため、脳自体に癒しを与え自律神経、免疫系、ホルモン系のバランスを整えることが最近の研究から判ってきた」と言われます。

また、数ある香りの中から探索した結果、樟脳の香りが自律神経のひとつである副交感神経活動を優位にして心身を鎮静させること、さらには、大脳への作用として情動や気分を落ち着かせる効果があることを明らかにしています。

注目される樟脳の香り

これまでの研究から樟脳のように心身への鎮静効果がある香りは、その活用の可能性として以下のような心理的、生理的な数多くの効果が期待できます。

○高齢者のQOL改善
○不眠症状の改善
○ストレスの軽減・緩和
○更年期女性の愁訴緩和
○子供たちの集中力アップ
○介護、看護現場での活用

などのように老若男女に関わらず生活の中で広範な利用が考えられます。

【監修:矢田 幸博】
医学博士。花王 株式会社栃木研究所所属、筑波大学大学院 グローバル教育院教授兼務。専門は統合生理学 (中枢機能〜自律神経系機能〜末梢機能)、皮膚生理学(皮膚関連細胞の機能解析、皮膚老化)、生化学(細胞内情報伝達系機構の解析、生体成分分析)など。









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