NPO法人キャンサーサポート 代表理事
宮部 治恵さん
アメリカから広まった活動でがん患者や家族たちと夜通し歩くことによってがん患者の支援やがんの啓発を行う活動です。日本では2006年9月に茨城で初めて開催され、活動は現在全国で行われています。
会場に来た参加者の笑顔ですね。私は「リレーフォーライフ」を全国に広める〝スタッフパートナー〟として広島・山口、佐賀、熊本、宮崎、沖縄を担当しています。9月、10月がリレーのピークなので毎週どこかに出向いており、今日もこれから佐賀へ向かいます。
リレーフォーライフ福岡は今年10周年を迎えました遠くから応援に駆けつけてくれた仲間たちと
私は、34歳で子宮頸がんになり、ショックで何も考えられないまま子宮と卵巣を同時に切除しました。がんになったことも悲しかったですが、なによりも子どもが産めない体になってしまったことがショックでした。そしてその3年後、今度は手術ができないほど大きな直腸がんが見付かり、抗がん剤でがんを小さくする治療を行いましたが、思うようにはいかず、余命1年と宣告され本当に落ち込みました。
そんな時、リレーフォーライフが日本で初開催されること知りました。落ち込んでばかりの日々でしたが、「何とか元気になって歩きたい!」という目標ができ、辛いリハビリに耐え、念願のリレーに参加することが出来ました。会場では「がんでもいいじゃん」というチームに出会い、強い衝撃を受けましたね。そして、「〝私、がんです〟って言ってもいいんだ」、「がんだからと言って苦しむことはないんだ」と考えられる様になりましたので、私と同じ様に苦しんでいる多くの人たちに、私が助けてもらえた様に前が向けるお手伝いをしたいと思い参加することになりました。
ある日、突然携帯にKIDさんと名乗る方から電話がかかってきました。何かの冗談かと思いましたが、ご本人からでした。実は、入院中あまりに落ち込んでいる私を心配した看護師さんが私の大好きな山本KID徳郁さんにこっそり「患者さんが落ち込んでいるから励ましてください」と私の携帯番号を書いた手紙を送っていたのです。大ファンだったのでこれまでの落ち込みも吹っ飛び大興奮。入院していた病院とジムが近かったこともあり、実際にお会いすることが叶いました。試合前にも関わらず、ファイティングポーズ姿の写真をメールで送ってくださる本当に強く優しい方でした。私はその写真をお守りに手術を受けました。その後もずっと憧れのKIDさんでしたが、先日、がんを公表されたわずか1か月後に帰らぬ人となったことは本当にショックです。
小学校などでがん教育についての講演も行っています。がんに対してまだまだ偏見があり、「がんはうつる」と思っている子どもたちもいます。家族にがん患者がいることでいじめの対象になることもあります。がんは誰でもかかる身近な病気という事を理解し、検診率を上げる為にも、正しいがん教育が必要です。そして、何よりも「命の大切さ」を伝えたいと思っています。
小学校の出前授業「いのちのホームルーム」にて
「笑うて(わろうて)生くばい」(笑って生きる)という言葉が好きです。特に女性には笑っていてほしい。お母さんががんになり、子どもが悲しむいたたまれない姿をこれまで何度も見てきました。子どもが大事ならば、子どものために検診に行って欲しいです。自分はがんにならないから大丈夫!ではないのですよ。
がんになって良かったとは決して思いませんが、がんになったから出会えた人や貴重な経験はたくさんあります。このような「キャンサーギフト(がんがくれた贈り物)」によって、「当たり前のことが当たり前じゃない、だから、自分らしく今を生きること」が大切だと気付かせてもらいました。
海が大好き今、はまっている「SUP」です
人生を有意義に過ごすために、やりたいことは何でもやろうね!!飲みに行こう!と約束しました
がん患者支援・啓発 NPO法人キャンサーサポート ●所在地/〒811-0201 福岡市東区三苫1-16-15-101 ●TEL/090(4156)8686 ●Mail/cancersupo@gmail.com ●URL/cansupo.jimdo.com