道路交通法では、2009年(平成21年)から、日本では75歳以上の後期高齢者が運転免許更新を行う際に、講習予備検査という名目で簡易な「認知機能検査」が義務づけられています。
記憶力や判断力をみる30分程度の筆記検査で、判定は、記憶力や判断力が低い、少し低い、心配ないの3段階に分けられ、どの判定を受けても免許更新はできますが、記憶力や判断力が低いと判定され、過去の一定期間内に信号無視や一時不停止などの基準行為(一定の違反行為)があった場合には、臨時適性検査と称する診察を専門医から受けなければならない決まりがあります。
また、2017年3月には75歳以上の運転免許保有者の認知症対策を強化する改正道路交通法が施行。
75歳以上の運転者に対し、3年に一度の免許更新時に加え、一時不停止や信号無視、逆走などの18の違反をした場合にも「認知機能検在」を課すことになりました。
認知機能の低下は、比較的若い年代から始まっていることがわかっています。
認知症は一度発症すると、現代の医学では完治しないと言われていますが、一方で普段から認知機能を鍛えることで、ある程度の機能維持・予防ができるとも言われています。
仮に認知症を発症したとしても、早期に対策をとれば進行を遅らせることができるのです。
脳が働くには多くのエネルギーが必要で、脳が働いている時には、多くの血液が酸素と糖を脳に運び、多くの血液が流れることで脳機能の低下を防ぎ、若々しさを保ちます。
運動不足や慢性的な不眠、人との交流、変化のない生活、喫煙、過度のアルコール摂取、ストレスも認知機能の低下に繋がります。
また、高齢者に限らず40代でも自覚がないだけで、脳は少しずつ萎縮していきます。
名前が出てこないなどの物忘れは、40代でもよく耳にします。40代から意識的に脳を働かせる生活とストレスケアを心掛けましょう。
認知機能の低下は、認知症に繋がるので、認知症予防や認知症の悪化を防ぐためにも、手先や体を使った運動をする、習い事や趣味などで人や社会とのコミュニケーションを図る、ストレスをためないこと、よく寝ることなどが重要だと言われます。
運動や趣味、コミュニケーションについては、ご自身の自覚や生活習慣に気を付けることで身体の変化を実感することができます。ただストレスについては目に見えないだけに、自分にどれだけストレスがたまっているのか確認が困難です。
長年、スキンケア、睡眠、香り、嗅覚、乳幼児、高齢者の研究をしている筑波大学大学院グローバル教育院 矢田 幸博教授は、樟脳(クスノキ)の香りが自律神経のひとつである副交感神経活動を優位にして心身を鎮静化させること、さらには大脳への作用として情動や気分を落ち着かせる効果があることを明らかにしています。
そして、ストレス軽減によるリラックス効果、睡眠改善効果や高齢者のQOL改善、更年期女性の愁訴緩和、子供たちの集中力アップ、介護、看護現場での活用など、生活の中で広範な利用が考えられると言われています。
認知機能は、知らず知らずのうちに低下していきます。
特に40代からは意識して自分が認知症予備軍になっていないかをチェックし、予備軍にならないような工夫を日常生活に取り入れて、認知症予防に取り組みましょう!
下記の項目をチェックしてみてください。
皆様にも思いあたることは、ありませんか?
10項目のうち、ひとつでもあると要注意です。改めてご自身の生活態度や人間関係、心の状態について振り返って見る良い機会にしてください。
認知症の予防は、ご自身で実行できますし、まわりの方々との円滑な関係がとても大切です。